レース前、やってはいけないストレッチ 水泳編

レース前に身体をほぐす「ストレッチ」は、ケガ防止の役割を果たすとても大切なものです。ストレッチには大きく分けると「動的ストレッチ」と「静的ストレッチ」の2種類があるのをご存知でしょうか?

「動的ストレッチ」と「静的ストレッチ」それぞれの特徴を知り 適切な使い方をすれば好タイムにつながります。

ところが、間違った使い方をしてしまうと「実力以下の凡タイム」を招く危険性も はらんでいます。

ジュニアアスリート諸君はもちろん、保護者のみなさんも この機会に しっかり整理しておいてください。

 

 

大会会場で よく見る光景。

選手×選手、選手×コーチ、なかには選手×保護者のペアでのストレッチ。

 

 

こちらの↑選手は泣き顔です。

日々の練習や すべてのレース終了後での風景なら良いのですが…

 

レース前にこのようなストレッチを行ってはいけません、ベスト達成の可能性を下げてしまいます。

 

なぜ いけないのか?を解説していきます。

 

 

1.  動的ストレッチとは


私たちが運動前にする“ストレッチ”は、ほとんどが「動的ストレッチ」になります。

本来の準備運動と言われている動的ストレッチとは、どのような方法になるのでしょうか。

動的ストレッチの効果や方法、重要性について説明します。

 

1-1. 身体をあたため可動域を広げる

動的ストレッチは、腕や足などを中心にいろいろな方向に動かすウォーミングアップのことです。

運動前にするストレッチのほとんどが、動的ストレッチになるでしょう。

これから動かす部位をいろいろな方向に回すことで、関節の可動域を広げることができます。

関節や周辺の筋肉を柔らかくすることで、体中が温まるでしょう。

硬くなっている身体をほぐすための準備運動だと思っておいてください。

動的ストレッチは、別名「ダイナミックストレッチ」とも呼ばれています。

身体のさまざまな部分を、リズミカルに動かすことから、ダイナミックストレッチと名づけられました。

国連サッカー連盟である「FIFA」もウォーミングアップ・プログラムとして、動的ストレッチを推奨しています。

■動画 FIFA ウォーミングアッププログラム 日本語版

 

 

1-2.動的ストレッチの方法

動的ストレッチの基本の手順は以下の通りとなります。

①ウォーキングやジョギングなどで心拍数を上げる
②筋肉の温度と柔軟性を上げる
③筋肉に刺激を与える

 

動的ストレッチは、心拍数の上昇から始まります、心拍数を上げるために軽めのジョギング・ウォーキングを行います。

次に、肩関節・肩甲骨・股関節・膝関節などの大きな関節から動かしていき、筋肉の温度と柔軟性を上げていきます。

自然と筋肉に刺激を与えることができ、筋肉の反応速度がアップしてきます。

最終的には手関節・足関節などの小さな関節をうごかしたり、全身伸びをして可動域ギリギリまで体を動かすことがポイントとなります。

 

 

1-3. 水泳選手に適した動的ストレッチ

ご紹介する動画はナショナル強化合宿でも教材として利用されたものです。

ただ これらをすべてこなすのは、実際のレースの現場を考えるとスペース的に無理があります。

ウォ―キングや移動無しで同じ動作を実践したり、招集所に向かう前に広いスペースで行う工夫も必要かと思います。

■動画 TOBIUO JAPAN ダイナミックストレッチング

 

 

1-4.動的ストレッチの重要性・効果

運動前に動的ストレッチをすると、筋肉の活動が活発化するのでケガの防止につながります。

ケガの防止だけでなく、運動をする準備モードに入ることができるのです。

身体が準備モードに入らないまま運動をすると大ケガをする危険性もあります。

準備モードにするためにも 動的ストレッチは必要不可欠であり、パフォーマンスの向上も期待できます。

 

 

2. 静的ストレッチとは


2-1.可動域の限界まで数十秒間伸ばすこと

静的ストレッチは、動的ストレッチとは違う部分がたくさんあります。

主な違いは「目的」です。

 

動的ストレッチの目的は、筋肉をほぐし可動域を広げることでした。

しかし、静的ストレッチの目的は、筋肉に蓄積した老廃物を排出することにあります。

 

そもそも静的ストレッチは、可動域ギリギリまで身体を数十秒間伸ばす方法です。

可動域ギリギリまで伸ばすことで、老廃物を排出する流れができます。

運動後は身体にたくさんの疲労がたまります、すぐに排出しなければ疲労物質が どんどんたまり身体に悪影響を及ぼしてしまいます。

そのため、静的ストレッチは運動後にするのが効果的なのです。

 

 

2-2.静的ストレッチの効果

静的ストレッチの効果は、筋肉にたまった老廃物を排出することです。

また 可動域ギリギリのところまで伸ばした姿勢を維持する静的ストレッチは、柔軟性の向上にも効果があります。

加えて 静的ストレッチをすることで副交感神経が優位になりリラックス効果も期待できます。

ヨガのポーズをとりながら瞑想する…

は、静的ストレッチの特長を活かした療法となります。

 

何か月も お子さんがベストタイムを更新できなくイライラしている保護者の方は ぜひ静的ストレッチをしてください。

身体だけでなく、心にもリラックス効果が生まれるはずです。

 

3. ケガ防止=動的ストレッチ


動的ストレッチは準備運動ということだけあり、ケガ防止効果があります。

一方、静的ストレッチにはケガ防止効果が期待できるのでしょうか。

 

カナダにおいてランナー2729人を対象に「静的ストレッチをするグループ」と「静的ストレッチをしないグループ」の2つに分けて研究。

3か月間続けたところ ケガ発生率に差は無く、静的ストレッチをしてもケガ防止効果があまり期待できないという論文が発表されています。

 

ケガ防止 という点においては静的ストレッチよりも動的ストレッチの方が効果的であると言えます。

 

4. 水泳選手 ストレッチの基本


動的ストレッチと静的ストレッチを上手に使い分ければ、より適切なレースへのアプローチができます。

水泳選手におけるストレッチの基本は「レース前に動的ストレッチ、レース後に静的ストレッチ」となります。

動的ストレッチは筋肉をほぐし可動域を広げてくれるので、ケガ防止やパフォーマンスの向上、静的ストレッチは運動後に蓄積した疲労物質を排出し心身ともにリラックス効果が期待できます。

 

5. まとめ


話を最初に戻します。

 

今回アップした4枚の画像、どれも水泳の大会会場で見かける光景だと思います。

これらはすべて「静的ストレッチ」。

 

静的ストレッチの特長である身体の柔軟性が増し・疲労物質の除去を促進する… までは良いとしても「副交感神経が優位になりリラックス効果がある」は大問題。

これからレースへ向かうのにボーっとし身体の反応が鈍くなってしまいます。

 

おまけに静的ストレッチにはケガ防止の効果がありません。

水泳のように短時間で記録を争う競技は知らず知らずのうちに力みが入り、大きな負担が さまざまな筋肉や腱にかかっています。

動的ストレッチでしっかりアイドリングし身体の反応を敏感にしてからレースに臨むべきです。

 

良かれと思って行っていたことも方法を間違えると逆効果、墓穴を掘る結果となってしまいます。

レース前、あなたのライバル(ライバルのお子さん)が静的ストレッチをしていたら どうします?

 

ニヤニヤ眺めてましょーか?笑

 

いやいや、ぜひ 教えてあげてください

「それ ”レース前、やってはいけないストレッチ” だよ★」と






「レース前、やってはいけないストレッチ 水泳編」への1件のフィードバック

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です