一流を目指すなら仙腸関節を意識せよ

よくスポーツの現場で「腰を入れろ」「骨盤から動かせ」「骨盤を連動させろ」なんて言葉を耳にすることがあります。「骨盤を動かす」… 言っている人も、言われている人も正確に理解していないまま言葉だけが独り歩きしているのが現状です。

今回は水泳に限らず どんなスポーツでも重要な「骨盤を動かす」を解説してみます。

ジュニアアスリート諸君はもちろんですが、まずは保護者のみなさんが しっかり理解したうえで選手に「腰を入れろ!」と叱咤激励してあげて下さい。

2020 東京オリンピックでの活躍が期待されている陸上の樋口優斗選手が2013 100mにおいて中学最高記録10秒78を樹立しました。

当時、中学3年生にもかかわらず元日本記録保持者の朝原氏の現役時代と同じ48歩で100mを走り切るスライド幅の広さ。

股関節が柔らかいのか? いや、じつは樋口選手は身体がかなり硬いことで有名でした。

ストライドが驚異的に広い理由、それは骨盤を左右に分割して使えたからです。

 

 

■骨盤を左右に分割する

樋口選手は「スパイダートレーニング」というものを地道に続け2年かけて骨盤を分割してきました。

スポーツの動作において骨盤の動きは重要であり骨盤の使い方が競技成績に影響すると言っても過言ではありません。

しかし、一流選手のように「骨盤をしっかり使うんだ!」と言われても なかなか真似のできることではありません。

理由は、一般の人には骨盤が左右に割れて別々に動くという身体意識がほとんど無いからです。

赤ちゃんの頃は誰でもあった その意識が、身体の末端である手先足先を巧みに使えるようになると体幹主導で骨盤を動かす感覚を失ってしまうのです。

 

 

■骨盤をグニャグニャ動かす

「骨盤を左右に分割」…分割の起点になるのが仙腸関節となります。

言い方を変えると 骨盤を使える=仙腸関節を使える ということになります。

仙腸関節は一般の人ではほとんど動きませんが、トップアスリートになると他の可動関節と同じようにグニャグニャ動かすことができるようになります。

 

例えばボールを投げるときに、肩関節だけで投げるのと、肩甲骨から投げるのでは後者の方が数段上のレベルで投げることができるのは言うまでもありません。

同じように、脚を使う動作で脚を股関節から使うのと仙腸関節から使うのでは全く運動レベルが変わります。

これは開脚ストレッチなどで「股関節が柔らかいから=仙腸関節を使える」とはなりません。

身体が柔らかくても仙腸関節が動かない選手は多く存在します。

が、先に挙げた「スパイダ―トレーニング」を継続すれば仙腸関節を簡単に使えるようになります。

 

■スパイダートレーニングのやり方

①まず膝を90度曲げた状態で股関節を最大限に開いてください

②股関節と膝の高さを同じくらいにしたままの姿勢で上下に骨盤を動かします

③筋肉が伸びてきたら少しずつ股関節を開いていきましょう

 

ここまでは一般レベルのアスリートなら普通にできます(※僕のような身体の硬い腰痛中年には至難のポーズです… 泣)

 

④次に 骨盤を左右に動かします(この左右の動きが仙腸関節の動きとなり、背骨ではなく骨盤をどれだけ大きく動かせるかが重要なポイントとなります。)

⑤慣れてきたら捻るように骨盤で八の字や円を描くように動かせるようになります

 

実際のスポーツ動作における、骨盤のキレや体幹で乗り込む感覚と同じです、最初は上手くできなくても 毎日行えば仙腸関節を大きく動かせるようになるはずです。

 



~動画~  しーばし次郎 小学5年生 10歳

 

毎週末の硬式野球に加え週6回、スイミングクラブの選手コースで いやいや泳いでいます

野球という競技の性質上&キャッチャーを守ることが多いため下半身に疲労が溜まりやすく とにかく股関節が硬く、開きも甘々です…

特に右仙腸関節の動きが悪いのですが参考までに どうぞ

■動画 仙腸関節 スパイダ―トレーニング



■まとめ

陸上・サッカー・バレエ・スケート etc. 骨盤=仙腸関節の動きは あらゆるスポーツの場面で重要な動きとなってきます。

 

水泳を例にすると

●クロール・背泳ぎでは仙腸関節の可動域がキックのスピードや強弱に影響します

●平泳ぎでは仙腸関節の可動域が股関節の動きに影響しフォーム全体に影響を及ぼします

●仙腸関節の動きはバタフライに一番影響するかな…と僕は考えています。

バタフライのキックの練習をしていると ふくらはぎでも太ももでもなく、まず最初に「臀部」骨盤・仙骨まわりが痛くなります。

ムチのようにしなるドルフィンキックやバサロキックを打つために仙腸関節がスムーズに動く身体づくりを目指して絶対に損はありません。

 

 

また 男子選手<<女子選手の方が仙腸関節を動かすことに長けている傾向があります。

「骨盤が開いたままだから産後太りが止まらない」なんて話を聞いたり

出産をご経験の方なら分娩台の上で自身の骨盤が「メリメリメリっ!ミシミシミシっ!」と唸りをあげた音を聞いたこと ありませんか?

骨盤の開き=仙腸関節の動きと産後太りの因果関係は今回 割愛させていただきますが、妊娠や出産に関係し構造上 女性の方が仙腸関節が動きやすいと言われています。

女子選手のみなさん、はりきって仙腸関節を動かしてみて下さい!

 

 

最後に 仙腸関節の動きはジュニアアスリート諸君だけに大切なことでは決してありません。

これまで多数の「ぎっくり腰」を臨床で経験してきましたが、半数近くの ぎっくり腰は いわゆる”腰”ではなく仙腸関節で起きたトラブルです。

「あ~ いたたたた… 泣 ぎっくり腰になっちゃった… orz」

と言いながら”おしり”を押さえていた… なんて経験はありませんか?

仙腸関節まわりの疲労や緊張を取り除き スムーズな動きを心掛けることは最大の ぎっくり腰予防になります。

中年世代の保護者のみなさんも、はりきって仙腸関節を動かしてみて下さい!






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