さて、今週末は いよいよ重要なレースです。
レースへ向けて しっかりと練習を積んできました、展開もしっかりイメージし対策も練りました。
これで準備万端… と思ったら大間違いです。
レース当日にいかに良いコンディションでレースに臨めるか、自分の持っている力をいかに最大限に最後まで発揮できるか。
これがとても重要です。
そこで今回は、レースで勝つために必要な「エネルギー(栄養)戦略」を解説していきたいと思います。
あわせて、ジュニアスイマー必見★レースで“勝つ”ための栄養戦略 も参考にしてみて下さい。
■ レース前の「カツ(勝つ)丼」は逆効果!
まず、基本のおさらいです。
レースの時に、ベストパフォーマンスを実現させるためには、必要な栄養素を過不足なく摂ることが大切です。
基本的には、これまでも紹介してきた 『栄養フルコース型』の食事 を意識して下さい。
その上で、レース前日には炭水化物(糖質)・ビタミンを意識して摂るようにしましょう。
ガソリンが入ってない車が走らないのと同様、人間もエネルギーが蓄えられてなければ動けません。
特に運動強度の高い水泳は炭水化物(糖質)がメインのエネルギー源。
レースの途中で身体が動かない…なんてことのないよう、レース前には主食(ごはん・パン・パスタなど)と果物(みかん・いちご・キウイ・果汁100%ジュースなど)を多めに摂るようにします。
カゼ予防やストレス軽減といったコンディショニングのためにはビタミンCの補給も重要です。
果物を多く摂るのは、ビタミンCの補給の意味もあります。
逆に、レース前日に控えた方が良い食事は、脂質の多い食べ物です。
よく ゲンを担いで、「レース前にはカツ丼を食べる」などいったことも聞きますが、エネルギー戦略的には逆効果です。
また、消化に時間がかかる食物繊維の多い「根菜類」なども同様です。
さらに、生ものや食べ慣れない物もレース前には避けた方が良いでしょう。
緊張などから消化能力が落ち、いつもよりも食あたりなどを起こしやすい状況にあるからです。
■ レース前日の食事のポイント
「たくさん食べてほしいもの」
主食と果物をたっぷり
(高炭水化物(糖質)・高ビタミン食)
●主食
ごはん・パン・もち・麺類など
●果物
みかん・いちご・キウイ・100%オレンジジュースなど
「控えた方が良い物」
おかず・野菜・乳製品は少々
脂っこいもの・生ものは控える
●脂っこいもの
天ぷら・カツ丼などの揚げ物
生クリームやバター・マヨネーズを多く使った料理
●生もの
刺身や貝など
●食物繊維の多い物
ごぼう・さつまいもなど
では、レース当日は どのようにエネルギーを補給していけば良いでしょうか?
朝食は前述した高炭水化物(糖質)、高ビタミンを意識したメニューで、レースの3時間前までには済ませておきましょう。
食べ過ぎは注意!腹八分目で、時間が無い場合は、何度かに分けて食べるなど工夫しましょう。
レースが近づくにつれて、消化が速く、すぐにエネルギーになる炭水化物(糖質)を補給していきます。
レース開始時には胃の中は空っぽで、体内にはエネルギーが満タンな状態がベストです。
また、同日に何レースも行う場合は、レースとレースの間にスポーツドリンクを飲んだり、ゼリー状の栄養補助食品などを利用してエネルギーをチャージしていくと良いでしょう。
消化まで十分な時間が取れないと予想される場合は、おにぎりを小分けにして持って行ったり、バナナや栄養補助食品などを上手く利用していくことも必要になります
■ レース当日のエネルギー戦略
レース3~4時間前 おにぎり・力うどん・カステラ・はちみつトースト 腹持ちが良く栄養価の高い食品
レース1時間前 バナナ・エネルギーゼリー・ビタミンタブレット 果物、果汁、デキストリンを使用したゼリードリンク
レース30分前 エネルギードリンク・アミノ酸
レース直前 キャラメル・あめ・ブドウ糖タブレット 胃腸への負担が少なく、すぐにエネルギーになる炭水化物(糖質)
このように、レース中にどんどん失われていくエネルギーをいかに補給していくかが、レース当日のエネルギー戦略のカギとなります。
最後の勝負所で、しっかりと脚を動かしキックを打ち込むことが出来るか、しっかりと腕を動かしストロークを掻き切ることができるか。
エネルギー戦略を制することは、レースを制することにつながります。
「ジュニアスイマー栄養学☆エネルギー戦略でbestタイム更新!」への1件のフィードバック